大宮「菊水湯」さん

今年一件目のペンキ絵のお仕事は、埼玉県の銭湯、「菊水湯」さん(埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-161)。
2月25日(月)に描いてきました。

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「菊水湯」さんの入り口は番台で、脱衣所には大きな籠が置いてあります。昔はよく置いてあったそうですが、脱いだ服を入れるためのものです。ロッカーもあるので、好きな方を選べますよ。築70年という銭湯、さすがの趣でした。浴室には白いケロリン桶もあり、珍しいです。
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個人的に、ここのトイレの棚にあるトイレットペーパーの並べ方、すごく惹かれました。トイレにはしっかり、手すりも装備されていて、体の不自由な人にも使いやすそうです。
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8時半過ぎに現場について、布を敷き、板やペンキを運び、浴槽上に作業空間(足場)を組み、様々な準備をしていると、10時位になっています。今回は、ペンキ絵を描く壁のメンテナンスがあり、13時を過ぎてからのペンキ絵制作でした。
前回の絵は、北海道の大沼の風景で、男女の湯とも富士が描かれていませんでした。
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制作は、10年前の10月10日。ここは、ペンキ絵を描く部分が布になっているので、布にペンキが密着し、持ちがよかったようです。とはいえ、当然、ひび割れが相当入っていました。そこで、画面の端の部分にトタン板をとりつけて、地盤になる布のゆがみを直します。そのために、ペンキ絵の描かれている布の部分を少し切りました。すると、下には、板の壁があり、初期に描かれたと思われる昔のペンキ絵が出てきました。
海草と魚が見えます。
昔、ここは水中だったんだな、と思いました。
皆知らないだろうけれど、浴室で一人だけ、今のペンキ絵の奥に水中があることを知りながら入浴する、て、、、体験してみて下さい。
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壁の魚の浮遊感に惹かれたのか、師匠と話していると、ダヴィンチの話になりました。
「ダヴィンチは、すごいよな、空を飛ぶヤツを考えたりもしてたんだから。」
と師匠。
飛ぶといえば、初めて飛行機に乗って実験してみた人もすごいですよね、と話していると、
「何でも、先駆者てのはすごいよ。
ペンキ絵だって、川越広四郎(*)がはじめなけりゃ、なかった。」
  *大正元年、初めて銭湯にペンキ絵を描いたという画家。町田忍『銭湯の謎』(扶桑社、2001年)  参照
とポツリ。やけに、時間の蓄積を感じる一日でした。師匠の「なんでも、先駆者てのはすごい」という言葉は、長年ペンキ絵を描き続けてきた師匠が言うからこそ、一層鮮烈な、言葉でした。


さて、今回、師匠が描いたのは、男湯に富士山、女湯には海と岩場です。
男湯の富士には、下のほうまで雲が走り、湯気と合わさったらかなり綺麗と思われます。また、ふもとには、洋風山小屋が一軒。その山小屋に行くと、、、とお話を作って、師匠が笑ってました。見ながら自由にお話を考えるのも楽しいものです。女湯は、海面が直接浴槽につながるように描かれ、手前に浜とか岸とかがないのです。昔の水中の風景とのつながり、ここに見えてきました。沖にはヨットが多数、、。どんな人がどんなことしながら乗っているのか、とやはり考えたくなりました。
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今回の絵も、塗り重ねられる前に、多くの人に楽しまれますように。
「菊水湯」さん、ありがとうございました。


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